橋梁14/上和会高架橋《世界初の縦横に分割した工場製PCプレキャストセグメント橋》

工事名 第二東名自動車道 上和会高架橋(PC上部工)工事
施工場所 愛知県豊田市和会町
橋  長 631.000m 幅  員 上り線:16.000m
下り線:15.520m
支  間 35.050+9@35.800+6@39.000+38.200
構造形式 PC17径間連続2主箱桁橋
荷  重 B活荷重 斜  角 90゚00’00”

概  要

上和会高架橋は、第二東名高速道路の豊田JCT~豊田南IC間に建設された全外ケーブル構造のPC17径間連続2主箱桁橋です。
市街地に位置する本橋梁は、架橋現場にセグメントの製作ヤードを設けず、建設に伴う騒音や環境への負荷を抑え、既存のPC工場(当社掛川工場)でセグメントの製作を行いました(工場製PCプレキャストセグメント工法)。
一般公道での長距離輸送を可能なセグメントにするために、広幅員橋梁を縦横に分割した2主箱桁構造を採用しています。
本橋は新しい技術を導入して施工を行い、架橋現場に広大な製作ヤードが確保できない場合や建設時の騒音等が課題となる場合の市街地において、プレキャストセグメント工法で建設できる実績を示しました。

セグメントの製作

セグメントは、自社掛川工場にて、ショートライン・マッチキャスト方式により、総数1028個を約18ヶ月で製作しました。
形状管理は、CCDカメラを使用した自動計測システムによる3次元計測を行い、製作精度を向上させました。

セグメントの架設

セグメントの軽量化により、スパンバイスパン工法による架設方法が合理化され、従来の大型架設機を用いることなく既存の小型架設機で架設が可能になりました。
本橋は、支柱に支持されたサポートタイプの架設機を用いて架設しました。
2主箱桁を1主桁ごとに架設・緊張した後、接合部床版を施工し、2主桁を一体化しています。

接合部床版のダブルループ継手構造

2主箱桁として一体化させる接合部床版には、世界で初めてダブルループ継手構造が採用されています。
ダブルループ継手は、隣接するセグメントの床版に配置されたループ鉄筋の間に環状のループ鉄筋を配置する構造です。
本継手構造を採用したことで、セグメント架設時の引寄せ作業が容易になりました。

外ケーブルの定着部構造

本橋の主方向プレストレスは全外ケーブルによって導入され、その定着力は全て支点横桁で受ける構造になっています。
外ケーブルの定着力による局部応力の緩和のため、横桁表面部位にプレテンション方式でプレストレスを導入した版(プレテンション横桁)を世界で初めて採用しています。

外ケーブルの緊張管理

外ケーブルはプレストレスの管理精度を高めるために、エポキシ樹脂塗装PC鋼材と偏向管(PE管)の摩擦係数を、日本で初めて非破壊・非接触で計測可能な磁歪測定技術によるPC鋼材の張力測定センサーを用いて計測しました。